放射、伝導、対流。3つの熱の伝わり方
2021年7月9日
私たちの身の周りにある熱。熱は一体、どのように周りに伝わっていくのでしょうか。熱の伝わり方について知っておくと、快適な温熱環境の理解がぐっと深まります。今回は、「放射(輻射)」「伝導」「対流」の3つの熱の伝わり方について、それぞれ簡単に説明します。
放射(輻射)
物の熱が電磁波という状態で四方八方に放出され、空気などの熱を伝える物質(媒体)が無いのに、離れたところに熱が伝わる現象。輻射ともいいます。
例:太陽の熱が地球に届くのは、放射によるもの。太陽から放出された電磁波が地面をあたため、その熱が大気をあたためています。夜になって涼しくなるのは、昼間あたためられた地表の熱が空に上がっていく時に、地表の熱を奪っていくため(放射冷却ともいう)です。
伝導
物と物が接触した時に、その接触面から熱が伝わる現象です。
例:ホットカーペットや湯たんぽなど、触ったところだけあたたかさを感じるのは伝導によるもの。
対流
空気が動くことで、その空気の熱が伝わる現象です。
例:エアコンによる冷暖房は対流によるもの。あたためられた(冷やされた) 風が人に熱を伝えます。
以上のように3つの熱の伝わり方があります。
何だか難しそうな「熱の伝わり方」かもしれませんが、実は私たちの身の回りには、この熱の伝わり方を利用しているものが多くあります。
私たちが普段使っている冷暖房器具も、この熱の伝わり方を利用しています。目に見えない熱の伝わり方ですが、理解することでより快適な暮らしに近づけます。
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